mojoco、活動再開します。2010年まではポールさんとの二人組としてでしたが、
今回は2006年 結成時のオリジナルメンバーの三人組として。
とりわけて仲が良かったわけでも、悪かったわけでもないのだけど、
二人とも僕のつくる音楽を面白がってくれて、それを三人で演奏して、
あーでもない こーでもない と言っていた時間が居心地よく、とても好きだった。
3人で演奏するために曲をつくって、それをまた面白がってくれて協力してくれる
人たちが増えて、色々な経験をさせてもらった。
2008年、ベースのゆうじくんが脱退して、その年にポールさんと二人組
という形でCDをリリース、2010年にはmojocoは活動をお休みすることに。
それでもたまに食事したり、それぞれの結婚パーティーでは3人でちゃっかり演奏したり。
友達ではないのだけど、家族とも違う。当たりまえで特別。
活動はしていなかったけど、顔を合わす度に、僕たちはバンドなんだなあ とつくづく思ってた。
2016年。あれから10年が経って、mojocoはひょんなことから(!!!)活動を再開しよう
ということになり、演奏するならオリジナルメンバー3人で という話になった。
ライブに向けてのリハーサルも始まっています。
3人で音を出すと、mojocoというバンドは もうあらかじめ型が決まってるんじゃないか
というくらいのしっくり感のもと、あれから10年 というノスタルジーもあって、
2006年の自分に戻っては、ああ、変わってないな なんて思ったり。。
それと同時に、今はみな 所帯を持って、年月を重ねたという確かなものが音となっていて、
含み笑いながら音を出してる。これがまた いろいろと可笑しい 楽しいのだ。
時は2016年。いやはや2016年。
これはきっと 音楽。
芸術企画室「月夜と少年」の吉田航さんが、アルバム『生活』に文章を寄せて下さいました。特別寄稿としてこちらでご紹介させていただきます。
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園部くんの新しいアルバム「生活」がリリースされた。リリースにあたって、何かコメントが欲しいと以前から頼まれていたのだけど、この思いをどのように伝えるべきか迷い、そして結局リリース日も過ぎてしまった。このアルバムのサンプル盤を事前にもらって、本当に繰り返し繰り返し聴いている。それでも、どうもその何度も聴きたくなる、この気持ちを上手く伝える言葉が出てこずにこんな事になってしまった。こんな事を、普通アルバムを推薦するこの場に書くべきではないかもしれないのだけど、でも、敢えてここに書いておきたい。今の気持ちを正直に言えば、この文章を読んで誰かがこのCDを手に取ろうが、手に取らなかろうがどうでも良いと思っている。
ここ数年ずっと思って来た事だけど、音楽の在り方は変わったのだと、懐古の気持ちと未来への希望とが、ないまぜになった、深い感慨をもってこのCDを何度も聴いている。そして、もう過去の音楽シーンのようなものは終わったと、そして僕らは新しい時代を生きていると確信した。
これまで、音楽は特別な場所、特別な時間に鳴らされる事で注目を集めてきた。ライブハウスやコンサートホールはもちろん、録音の為のとても高価なレコーディング・スタジオとか。でも、今はコンサートはカフェだってギャラリーだって、お寺でだって何処ででも行われる。録音も、パソコンとマイクがあればどこででもできるし、そもそも、しっかりとまとまったアルバムとしての作品なんか作らなくたって、面白い音楽をちょっと演奏して、それをYouTube で流せば明日にだって世界中数万人の人に音楽を届ける事が出来るかもしれない。音楽はあらゆる所に溢れるようになった。そして音楽は特別なものではなくなった。かつて僕が音楽に見た夢はもう何処にも無いと認める事からしか、新たな音楽の持ちえる可能性も見えて来ないんじゃないだろうか。
僕は1980年生まれで、園部くんや、今回このアルバムに参加している他のミュージシャン達もほぼ同年代だと言って良いと思う。彼らがこれまでにどんな音楽を愛してきたのか、もしくは横目に見ながら通り過ぎてきたのか、それが手にとるように分かる。フィッシュマンズ、クラムボン、キセル、、、もちろんそんなのだけではなくて、アニデフランコでもアートリンゼイでもトータスでもビョークでも結局は何だって良いんだけど、彼らの聴いてきたであろう音楽と、僕の聴いてきた音楽との間でリンクする部分が手に取るように分かると思った。そして、それは単純に何か嬉しい感覚だったのだ。あぁ、僕らは同じ時代を生きてきたんだと、単純かもしれないけど、そういう共感が僕にこのCDをリピートさせたのだと思う。
「生活」と題されている事からも分かるけど、この一枚のCDには園部信教という一人の人間の生きる全てが詰まっていた。一人きりの夜に不安になったり、仲間が隣に居てくれる事をとても心強く思ったり、とにかく、生きているんだなっていう実感を与えてくれた。彼は、かつての天才的な音楽家達がそうしたように、音楽に生を捧げるのではなく、生きる事と共にある音楽を選んだのだなと思った。僕が生きている限りは、このアルバムの中で彼が仲間と共に鳴らしたような音楽を、これからもずっと鳴らし続けてくれているんだと、そんな風に思える音楽と出会えた事を、とても感謝している。当たり前だけど、生活とは、僕らが生きている限り誰のもとにも在るし、音楽もそこに必ず、在る。
吉田航(月夜と少年)
実際に店頭に並ぶのは今日だったり、個人的には もう半年近く聴き続けている音、
まだ発売していないのか と思ったりして、ふわふわしていますが、
sonobe nobukazu「生活」、いよいよ明日発売になります。
このアルバムを制作するにあたって、一から一緒に歩を進めてくれた
Five Witsのお二人。
はじめて会った時から、いまも、背中を押してくれる心強い存在で、
良いときも、そうでないときも、同じ景色をみてくれている気がして、
いつも良い心持ちでいられた。
僕の「好き」にまっすぐになることを許してくれて、
制作に集中できる環境を整えてくれたり、二人のためにも、
僕は良いものをつくりたいとも思えたし、二人のおかげで、
アルバムという形にすることができました。
なにもないところから、自分のためにつくり唄われた曲に、
たくさんの人たちが関わってくれて応援してくれる。
そしてその曲たちがアルバムという形になり、それを求めてくれる人がいる。
こんな奇跡ってあるのだなと、いまさらながらに心動いています。
どうか この「生活」というアルバムが、みなさまの「生活」にするりとすべりこみますように。
デザインのこと。
今作は青木隼人さんのデザイン、ディレクションのもと、藤川孝之さんの絵、
竹内紙器さんの紙ケース、濱田英明さんの写真という、なんとも贅沢なものになりました。
本当に大好きな方たちばかりで、いま思っても夢のよう。
手にとって、触っては口元が緩み、ため息すら出ます。。
青木隼人さんとは、このご縁で、一緒に音を出すこともできたりした。
はじめてお会いした時の、僕の心の内の内まで見透かすような
まっすぐな眼差しにはドキッとしたけど、時間を共有するたびに、
心地よい風を感じられる人柄の良さと、絶妙の道をゆく バランス感覚、
ああ、僕もこうありたいなあ といつも思わされます。
帯コメントは、terzo tempo の店主、佐野寛くんにお願いして、
これまた素敵な紹介文を頂きました。
ぜひ、手にとって確かめていただきたいです。
結婚式のアートワーク全般から、ライブのフライヤー、名刺のデザイン。
思い返せば、僕の生活や音楽活動のあらゆる場面でお世話になり、
もうなくてはならない存在 くらいになってたイワサトミキさん。
彼女の描く絵が大好きなことは言わずもがな、いままでのやりとりのなかで感じていた
意志と責任感の強さ、ユーモアのセンス、いつも笑顔で無理難題を受け止めてくれる度量、
すべてにおいて信頼しきっていたので、僕のなかでは依頼承諾してくれた時点で
すでに手応えはあって(他力本願、、)、なにも心配していなかった。
ただ、どんなストーリーで、どういう進め方をするのか など、なにもない所からの
スタートだったので、イワサトさんにとっては 暗い道をゆく、孤独な作業だったと思う。
「きみもさよなら」という曲は、東京から高知に移住する、
色々と不安定になっていた時にできた曲で、できたその時は、
それほどにこの曲の意味など考えなかった。
この曲を唄うときは、それまでの不安定な状況など感じず、
強く、前を向いていれた。唄う度に、救われる気がした。
音楽をつくり、唄うことが、僕の居場所なのだと気付かせてくれた曲。
このMVのおかげで、自分の曲ながら、ああ、そういうことか と
またその意味が色濃く浮かび上がり、心が動く。
不思議なもので、思い や、姿勢など、目に見えないものを、感じようとせずとも
ビビビっと伝わるなにかがこのMVにはあります。
きっと多くの人たちの本質に届くはずです。
写真とミュージックビデオでお世話になった濱田 英明さんのこと。
やりとりの中で ハッとさせられた瞬間が何度もあった。
自意識過剰で、写真を撮られるのが苦手な僕に、
「写真はずーっと残っていくもの。撮影した写真を
未来の自分が見て、どんな風に感じるか想像してみて」
というようなことを言ってくれて、すごく楽に。
どこか カッコよく撮られたい とか、恥ずかしい という
思いがあったのだけど、未来の僕を想像してみたら、
やっぱりこの瞬間を思い出して、むふふと笑ったり、切なくなったり、
愛おしく感じるのだろうな、 そんな風に思いを巡らすうちに、
自然体でいることを許してくれた気がした。すごいな と思った。
Photo: Hideaki Hamada
当初予定には無かったのだけど、濱田さんの視点でミュージックビデオも
撮ってもらいたい と思った瞬間には猛アタックしてしまっていた結果、
(ときどき、こういう どうにも止まらない時がある。。)
引き続き担当してもらえることに。
アルバムタイトルでもある、「生活」という曲。
撮影にも同行させてもらったのだけど、いくつかの奇跡や偶然に心がたくさん動いた。
自分が生まれ育った街が、映像として切り取られ、
それがミュージックビデオとして形になったのかと思うと、
なんだか とびきりのご褒美をもらったかのような気分。
自分のためにつくったこの曲が、濱田さんの視点で拾い集めた
街のあちこちに見え隠れする小さな「生活」の 映像のおかげで、
聞いてくれる人たちの「生活」に、するりとすべりこむことができるよな気がしています。
録音に関わってくれた人たちのこと。
録音 ミックス マスタリング 共同プロデュース
エレキギター マンドリン ウクレレ:田辺 玄(WATER WATER CAMEL)
音楽家としてのはじまりの時からずーっと近くでいてくれている 家族のような存在。
僕の 好き や 良しとする塩梅を理解してくれていて、今回もたくさん救われた。
この人の、観察力と解像度の高さには毎度驚かされます。
そして、採れっぱなしの作物のような僕の歌を、繊細に、
時にはちょっと大胆に彩りをくわえてくれた大好きな演奏家たち。
コントラバス:須藤 ヒサシ(WATER WATER CAMEL)
ドラム:senoo ricky
ピアノ パーカッション ヴィブラフォン 鍵盤 ドラム:田中 佑司
トランペット フリューゲルホルン:三浦 千明
ヴァイオリン:鈴木 絵由子
アルバムのジャケット その他もろもろの絵を提供してくれた
藤川 孝之氏もはるばる国立から遊びにきてくれた。
録音中も同じ部屋でカリカリ。
ページをめくる音など、音源をよく聞けば聞こえるかも、ね。
「生活」オフィシャルご飯、京都の食堂 souffle さゆりさんご飯も、
美味しすぎて毎度ため息ものだった。
録音のこと。
今作の録音は一昨年の12月、真冬の小淵沢「星と虹レコーディングスタジオ」にて。
このスタジオのオーナー先生は、ミュージシャンであり、歯科医。
その診療所とスタジオは棟続きになっていて、
1階はリビング、2階が録音スペースというなんとも変わったつくり。
1階のリビングでの時間の流れは心地よく、程よい生活感があって、自然と肩の力が抜ける。
2階にあがれば、すぐに制作に集中できる。時々、階下から聞こえてくる話し声も心地よい。
高価な楽器が造作なく並べられていたり。たくさん使わせてもらった。
オーナーの豪快で、自分の好きにまっすぐな人柄がそのまま出たような空間。
弾く、唄う、録る、休む、話す、食べる、寝る。という、あっという間の6日間で、
そこにいたみんなが自分のすべきことに集中できていた。
僕が感じる居心地の良さって、そこにつきる。
今更ながら、こんな幸せな環境はないな、と思う。
屋根に降り積もった雪が崩れ落ちる音や、午後5時のチャイム、木がきしむ音、
いろいろと難儀なこともあったけど、全部ひっくるめて、温かく、親密な音が録音できた。
録音した音をいま聞いてみても、あの時の気配のようなものを背中に感じる。
ここにお世話になって良かったと しみじみと思う。
今年は先生に会いにゆけるかな。また 違う季節にも行ってみたい。
みなさま あけましておめでとうございます
2015年、石井ゆかりさんの魚座の年間空模様によると、「デビュー」するような年 だそう。
そのほかの詳細な時期なども、あて書きされたような当てはまり方でおもしろいです。
さあさ どんな年になるかな。
そんな「デビュー」するような年 に発売される新しいアルバム、
色々な情報が特設ページにて発表されています。
自分のなかで 勝手に情報量多すぎて、ちっとも整理できていないのですが、
次回より順を追ってつらつらと。まずは録音のことなどから。
では みなさま 本年もどうぞよろしくお願いします
みなさま こんにちは
先日 ホームページでもアナウンスしましたが
やっと やっと新しい音源を発表することになりました。
この制作ノートでは 新しい音源に関わってくれた人たちのこと
制作にまつわるあれこれ はたまた なんの関係のないこと などを
不定期で更新していきたいと思っています。
こういう風に文章をかくのは久しぶりなので
早くも 言葉を探すのに ひと苦労していますが
生活の拠点を東京から高知に移して2年とちょっと
そのあいだに変わったこと 変わらないこと
見てきた風景 感じたことなどと
あらためて向きあい 言葉にする 良い機会だなあとも思っています。
不定期ではあるけど 気負わず できるだけ定期的に更新できればなああ
ではでは みなさま とびきりの12月をお過ごしください
sonobe nobukazu